特性

落花生の品種

これまで、日本では落花生の品種について、栽培上から草型で立性、中間型、伏性(匍匐性)に、早晩性で早生種、晩生種に分類してきました。また、流通面から粒の大きさで大粒種、小粒種などに分類されます。

落花生の品種分類や系統分類は、世界的に古くから多くの試みがなされており、現在もっとも一般的な分類は、W.C.Gregoryらのよって提唱された、栄養枝と結果枝の配列様式を主とし、1莢粒種を加えて分類基準としたバージニア、スパニッシュ、バレンシアの3タイプに区分する方法です。

その後、Krapovickasは落花生の系統分類法を下(↓)のように提案し、その妥当性が認められています。

しかし、最近亜種間交雑による品種が多くなってきているため、今後は中間型品種の取り扱いが問題になってきます。



落花生の植物学的特性−生育の様子

一年生の草本で、生育期間は120〜150日です。生育温度は最低15℃で、高温ほど生育旺盛となります。主茎の基部から分枝が発生し、分枝は数や長さ品種によって異なり、横への広がり具合により草型は立性、中間型、伏性に分類されます。

出芽後約35〜40日で花が咲き始めます。花は鮮やかな黄色で、自家受粉します。花は約2ヵ月咲き続けますが、完熟した莢になるのは早く咲いた花で、遅いものは未熟莢か無効花になってしまいます。

受精後、子房基部の組織が分裂・増殖し、子房柄の伸長が始まります。開花後7日頃に子房柄が下へ向かって伸び出し、地中に入ってその先端が肥大して莢が形成されます。子房柄は、その表面から養水分を吸収するため、働きは根に似ています。とくにカルシウムの吸収は子実の肥大にとって重要とされています。莢は地下侵入後30日頃に最大となります。

子実の肥大は、莢の肥大の後に始まり、早生種では開花後70〜75日後、晩生種では90〜95日後が収穫時期となります。堀とったものを7日ほど地干しした後、野積みして乾燥、あるいは脱莢後乾燥させます。



落花生の植物学的特性−莢・子実の形状と種皮色

落花生特有の莢の網目模様は維管束網(いかんそくもう)によるもので、成熟が進むにつれて莢の表面に現れてきます。莢の形状は大小、長短さまざまで、くびれや網目にも浅いものや深いものがあります。

莢内の種子は1〜6粒と差がありますが、通常スパニッシュ・バージニアタイプは2粒、バレンシアタイプは3〜4粒です。

子実の形状も、大小のほか球形に近いものから長いものとさまざまで、大きさも0.2g以下から2g以上までと幅広くなっています。種皮色も、通常の褐色のほか、白、黄、桃、赤、紫、赤白などのまだら模様や紫の斑点を生じるものなどもあります。