生産地

落花生の生産地

日本に落花生が導入されたのは江戸時代(宝永3年、1706年)とされていますが、実際に栽培が始まったのは明治以降とされています。明治4年に神奈川県で栽培され、7年には政府がアメリカから種子を導入して各地に配布しました。現在、北海道を除く全国で栽培されていますが、主な産地は関東と南九州地域で、畑作地帯の主要な輪作作物として栽培されています。

栽培面積は昭和40年の66,500haをピークに減少傾向にあり、平成9年の全国の作付面積は12,400haで、作付率は千葉が68%、茨城が12%と産地が特化しつつあります。

世界の落花生の主な生産地は、アジア、アフリカ地域とアメリカです。FAO(国連食糧農業機関)の報告では、1995年度の世界の作付面積は2,250万ha、生産量は2,800万t(莢付き)です。作付面積はインドが世界の37%を占め、以下、中国(17%)、ナイジェリア(8%)、セネガル(4%)、スーダン(3%)、ザイール(3%)、インドネシア(3%)、アメリカ(3%)の順になっています。

生産量では中国が37%を占め、以下、インド(25%)、アメリカ(6%)、ナイジェリア(5%)、インドネシア(3%)、セネガル(3%)、スーダン(2%)、ザイール(2%)となっています。なお、日本の生産量は世界の0.1%です。



落花生の品種と特性

千葉半立

来歴:昭和21年に千葉県農業試験場で印旛郡八街町と千葉県誉田村とで従来の品種とは全く草型の違った半立種を収集し、それらの純系分離によって育成され、昭和28年に千葉県の奨励品種となりました。

普及状況:それまで栽培されていた伏性種に比べて、管理や収穫作業がしやすく多収であったため、千葉県内ばかりでなく全国に普及しました。現在でも食味の良さから、関東地域を中心に、国内の主要品種として栽培されています。


タチマサリ

来歴:八系20号(改良和田岡×白油7-3)×八系3号(白油豆×立落花生)。千葉県農業試験場で昭和39年交配、49年育成。

普及状況:バージニアタイプとスパニッシュタイプの交雑による極早生の大粒品種で、収穫期は千葉半立より20〜30日早くなります。九州地域では早期マルチ栽培による早期収穫や作付体系の多様化が可能となり、東北地域ではマルチ栽培により大粒種の安定多収栽培が可能になりました。


ナカテユタカ

来歴:関東8号(千葉半立×千葉55号)×334-A。千葉県農業試験場で昭和41年交配、54年育成。

普及状況:中生の良質・多収品種で、草型は立性で作業性が優れ、野菜栽培跡などの肥沃な畑でも徒長して減収することなく、播種時期が遅れても生育や収量への影響が少ないため、野菜作や麦作との組み合わせに適しています。関東から九州までの各地で栽培され、千葉半田と生産をほぼ二分しています。