栄養

落花生の栄養

脂質

落花生は脂質が約50%、たんぱく質が25%含まれている高脂質・高たんぱくの極めて優良な食品です。脂質の脂肪酸組成からみると、飽和脂肪酸は約20%、不飽和脂肪酸が約80%と大部分が不飽和脂肪酸なのです。(多くの脂質を含みますが、動脈硬化の原因とされるコレステロールは含みません)

脂肪酸の中でももっとも多いものはオレイン酸で、機能面からみると、動脈壁にコレステロールを蓄積させるため、悪玉のコレステロールといわれるLDLのみを減少させ、コレステロールの蓄積を防ぐ作用のあるHDLを減らすことはないため、動脈硬化の予防効果があります。

また、オレイン酸は多価不飽和脂肪酸に比べて酸化しにくいため、オレイン酸含有量率の高いものは酸化による品質の低下が少なく、商品の品質保持の硬化が高いといわれている一方、多価不飽和脂肪酸は、体内で合成できないため、食べ物から摂取する必要がありますが、落花生にはリノール酸、リノレン酸が含まれています。

リノール酸は血清コレステロールや血圧低下の作用があり、体内でγ‐リノレン酸、アラキドン酸を経てプロスタグランジンに合成され、血小板の凝集や動脈壁の弛緩・収縮、血液の粘度などの調節作用を行っています。

リノレン酸は脳や視神経系の維持に重要な関わりを持っているとされ、体内でリノレン酸から合成されるイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸は脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症の予防効果があります。


たんぱく質

落花生に含まれるたんぱく質はロイシン、リジン、バリン、トリプトファンなどで、ほとんどの必須アミノ酸が含まれており、大豆が畑の肉と呼ばれるのと同様、穀類では不足しがちなたんぱく質を補うことができます。


炭水化物

炭水化物は約20%含まれていて、粗繊維3%のほか糖質にも難消化性の食物繊維が多く含まれています。食物繊維は、食生活の変化により日本でも最近増えている大腸がんの予防のほか、コレステロールを体外に排出することから、動脈硬化、心臓病や肥満の予防効果もあります。


その他の成分

落花生に多く含まれるビタミンはB群とEです。ビタミンEは、一般にトコフェロールと呼ばれ、老化防止のビタミンといわれています。体内の脂質は、呼吸で取り込まれて一部が活性化した酸素(活性酸素)と反応してフリーラジカルを生成し、細胞組織にダメージを与え、老化や細胞のがん化を進行させます。

ビタミンEは人間の細胞膜や体脂肪の酸化・分解を抑える作用(抗酸化作用)があり、過酸化脂質の増加を防ぎ、細胞膜の働きを円滑にし様々な老化現象の防止やがん予防の効果があります。ビタミンEも必須脂肪酸と同様に、体内では合成されないため食べ物からとる必要があります。

無機成分(ミネラル)は、生命の維持に不可欠であるほか、老化やがん、その他の成人病の予防に効果があります。落花生には、食べ物からとりにくいカルシウムや鉄分が多く含まれています。